2022/04/11
私は当時、保育の会社に勤めていて、ベビーシッターや子育て支援の現場で保育活動を行うスタッフに対して、研修を企画していました。まだ一般の家庭がベビーシッターや家事代行を利用するのが珍しい時代でしたが、自治体が産前産後支援として、1回あたり数百円でベビーシッターを利用できるサービスを提供していたため、一般の家庭でもベビーシッターを体験する機会が増え始めていました。
私たちの会社もいくつかの自治体から要請を受け、産前産後支援のほか、さまざまな子育て支援の現場にスタッフを派遣し、スタッフの皆さんに第一線で支援を行っていただきました。なかには、虐待やDVが疑われる家庭もありました。
スタッフの皆さんは40代後半から60代が多く、若い時に保育園や幼稚園などで働いた経験を持つ方もいらっしゃいましたが、特に保育に関する資格をお持ちではなく、自身の子育てがひと段落したところで、「子どもに関わる仕事がしたい」、「子育てをする親御さんの役に立ちたい」という思いでスタッフ登録されている方がほとんどだったと思います。つまり、子育てに関する勉強は、自分自身の子育て経験を通して体得してきたという方々でした。
しかし、子育てを行う環境や考え方は、彼女たちの時代とは違ってきていることや、子育て家庭の問題が多様化してきていることを受け、定期的に研修を行い、知識やスキルのアップデート、そしてモチベーションの維持をはかる必要がありました。子育て支援の現場が決して平和で穏やかなものばかりではなく、貧困や虐待など、子どもにとって可哀そうな環境があることを目の当たりにし、ショックを受ける方も少なくはなかったと思います。研修の場は、その辛さやネガティブな感情を吐き出すために、そして、自分の仕事に対する誇りを再確認し、役に立っているという実感を味わう機会として重要だと考えていました。
子ども、親、そして、そこに携わる子育て支援者、みんながハッピーになるための研修を探していたときに、巡り合ったのがタッチ(ファンクショナルタッチペアレンティング)だったのです。
(私とFTP~出会い編~ 会員:PORCOさんの場合②へ つづく)